最終更新日時 2019/02/27

和歌山県の世界遺産「高野山」。今年、開創1200年という節目を迎え、一帯に6つの世界遺産を持つその場所で、いつもとは少し違う「宿坊ステイ」を楽しんでみませんか?

標高約900mの山々は、「浮世と全く違う時間が流れている」とミシュランガイドでも評価され三つ星を獲得しています。今年こそ訪れてみたい高野山と「宿坊ステイ」の魅力をご紹介します。

世界遺産「高野山」の歴史

Koyasan01▲世界遺産「壇上伽藍」(出典:663highland

和歌山県にある高野山は、標高約900mの盆地。周囲を8つの峰々に囲まれた姿は「蓮の花が開いたようだ」と形容されています。平安時代の初めごろに弘法大師・空海が真言密教の修業のために開山し、明治5年までは女人禁制として、女性の立ち入りが厳しく制限されていました。

一部の寺院は女性でも参拝ができたそうですが、それらは「女人高野」と呼ばれていました。そして現在では、滋賀県と京都府にまたがる比叡山と並ぶ日本仏教の聖地として多くの参拝者が訪れています。

Koyasan08▲世界遺産「奥之院」(出典:Xiaojun Deng

参道である「奥之院」と、朱塗りの大塔がそびえる「壇上伽藍」は高野山の二大聖地であり、6つある世界遺産のうちのふたつ。奥之院は両側に杉の木がうっそうと林立し、無数の石塔が建ち並んでいます。これは、少しでも大師様の近くで供養されたいという願いの込められたもの。時代や宗派の違いを超えて、すべての人を受け入れる高野山の寛容さに触れることができます。

高野山開創1200年の節目

Koyasan06▲金堂(出典:KEMPEI

高野山開創1200年にあたる今年は、特別公開やイベントが数多く催されています。世界遺産「壇上伽藍」の中に位置する金堂や高野山真言宗の総本山「金剛峯寺」の御本尊、山内の寺院の数々の特別公開など、この期間にしか拝見できないものばかり。公開期間が限られているので、ぜひ確認してから足を運んでみてくださいね。

▼高野山開創1200年特設サイト
http://www.wakayama-kanko.or.jp/worldheritage/koyasan1200/

Koyasan07出典:KENPEI

また、昭和5年から85年間にわたって営業している高野山ケーブルの高野山駅がリニューアルされ、開業当時のクラッシックな意匠が復元されました。国の登録有形文化財に指定されている駅舎もゆっくりと味わいたいものですね。

高野山ケーブルは、海抜539mの極楽橋から867mの高野山までの330mの高低差を一気に上ります。高野山駅に到着する手前の最急勾配562.8%は、ケーブルカーでは日本でも有数の急勾配。その急な傾きには驚きです。

いま話題の「宿坊ステイ」

soujiin01出典:relux|別格本山 總持院

山内には塔頭寺院といわれる117もの寺院が点在し、そのうちの52の寺院は「宿坊」として一般の参拝者の宿泊が可能です。宿坊とは、参拝客が泊まるために仏教寺院などに併設されている施設のこと。戦国武将ゆかりの寺や、美しい庭や襖絵のある寺など、それぞれに違った趣向を持っています。お寺に泊まって「非日常」を味わえることや、心を落ち着けて日々の疲れを忘れることができることで、人気が高まっています。

soujiin02出典:relux|別格本山 總持院

宿坊で過ごすもうひとつの楽しみは、食事にあります。季節の食材を使った精進料理は、味はもちろん目にも楽しめるような美しい盛り付けで。肉や魚を用いず余計なものの削がれた素材の持つ味をじっくりと味わえば、料理ひとつひとつの奥深さが感じられ、体の中からすっきりと洗われるような気持ちになれることでしょう。

そして、翌朝はやく目覚めたら、御本尊の前で読経や礼拝のお勤めを。そうした宿坊ならではの体験が魅力です。今回は、そんな宿坊からおすすめの5軒をご紹介します。

「宿坊」の過ごしかた

soujiin03▲別格本山 總持院(出典:relux|別格本山 總持院

總持院は、門前に壇上大伽藍を控え、東は本山金剛峯寺に隣接する参拝に最適な立地に佇む一軒です。平安末期に開基された古刹で、阿弥陀峯を借景にした庭園は、四季折々の表情を見せてくれます。本堂正面にある樹齢千年の白藤は「灯篭藤」と呼ばれ、満開時は繊細で荘厳な美しさです。昼下がり、縁側で足を伸ばして庭園を眺めながら過ごすことができたら素敵ですね。

別格本山 總持院
■ 所在地:和歌山県伊都郡高野町高野山143
■ 宿泊料金(参考):1名あたり33,000円~朝夕食付(2名利用時/税・サービス料込)

@shin_zen_bi0121が投稿した写真

▲西禅院

西禅院は、平安時代に明寂上人が開いた歴史ある寺院。境内には、国の登録記念物の重森三玲庭や画家・菊田伊洲氏の襖絵も揃います。芸術・文化鑑賞と宿泊を一度に楽しみたいという方におすすめの一軒です。さらに、松下幸之助が逗留した宿としても有名で、彼が宿泊したのと同じ部屋に泊まることも可能です。

西禅院
■ 所在地:和歌山県伊都郡高野町高野山154
■ 参考価格:1名あたり11,340円〜 朝夕食付(2名利用時/税・サービス料込)

Nose Sayakaさん(@nosesayaka)が投稿した写真

▲普門院

宿坊ながら洋間を備えている、普門院。ホテルのような特別室もあるので、少しリッチな滞在も楽しむことができます。お部屋は、庭園を囲むような配置で。その庭園は、枯滝の石組等小堀遠州候の作と伝えられ、高野山随一の名園ともいわれています。

普門院
■ 所在地:和歌山県伊都郡高野町高野山608
■ 参考価格:1名あたり11,800円〜 朝夕食付(2名利用時/税・サービス料込)

fukuchiin01▲天然温泉と精進料理 福智院(出典:garberus

高野山で唯一、高野槙(こうやまき)造りの露天風呂で天然温泉を楽しめるのが福智院。800余年前に覚印阿闍梨により開かれた愛染明王を本尊とする寺院で、院内には昭和を代表する作庭家・重森三玲が設計した3つの庭園があります。力強い石組とモダンな苔の地割りで構成されているのが、重森三玲の庭園の特徴。ライトアップされた夜の表情は、宿泊者だけが眺められる贅沢な光景です。

天然温泉と精進料理 福智院
■ 所在地:和歌山県伊都郡高野町高野山657
■ 宿泊料金(参考):1名あたり12,000円〜 朝夕食付(2名利用時/税・サービス料別)

@mayapr8が投稿した写真

▲高野山 別格本山 一乗院の写経体験

翌日めざめたら、早朝のお勤めを。「朝勤行」と呼ばれ各宿坊でおこなわれるこの儀式では、お堂に響く読経の声とともに高野山の1日のはじまりを体験できます。そんなお勤めのほかにも、写経体験が用意されている宿坊も。自分と向きあいながら静かな時間を過ごすのにぴったりですね。

高野山 別格本山 一乗院
■ 所在地:和歌山県伊都郡高野町高野山606
■ 宿泊料金(参考):1名あたり11,000円~朝夕食付(2名利用時/税・サービス料込)

空海が開いた天空の都市へ

高野山へ参詣し、宿坊でゆっくりと過ごすことで身も心も浄められるのではないでしょうか。開創1200年の特別な催しをを見逃さないようにしたいですね。

TOP画面出典:relux|別格本山 總持院

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