最終更新日時 2019/01/31 19:09

「鬼は外!」「福は内!」・・・。そんな声が各家庭から聞こえる、節分が近づいてきました。年に一度の日本の行事ですが、最近ではやらずに過ごしてしまっている方もいるのではないでしょうか。しかし、永らく続いてきたものには何事も理由があるもの。この節分も理にかなった行事だと考えるのは決しておかしいことではないでしょう。
今回は、その節分を楽しみつつ体験できると話題になっている、『喜多院』の節分会をご紹介いたします。

喜多院とは?

『喜多院』とは、川越市にあるお寺です。そこで疑問に思うのが、「大師とお寺って同じなの?」と言うことでしょう。その違いを説明できるような方は少ないと思いますので、まずはそこから説明したいと思います。

仏教にはいろいろな宗派があることはご存じだと思います。真言宗や浄土真宗など、その名前や違いを説明はできなくとも、なんとなく聞いたことはあるでしょう。「大師」とはそれらのうち、元三大師(がんざんだいし)である良源を祀っている、天台宗の寺院のことなのです。そして、やはりよく耳にする「関東三大師」とは、『佐野厄除け大師』『青柳大師』、そしてこの『川越大師』のことを総称した呼び方です。

『喜多院』は、実は宗派問わず、地元の方々に愛されている寺院であるそう。その理由は、寺院全体がパワースポットになっていること、そしてただ境内を散策するだけでも十分楽しめると評判だからです。

『喜多院』散策の楽しみのひとつが、名物でもある「五百羅漢」の像。よく見てみると、ひとつひとつ表情や形が違うのです。笑っているもの、怒っているもの、ひそひそ話をしているものと、実にさまざまな表情が見受けられます。

彼らは、仏教に精通し修行を積み上げた弟子たちの像だということですが、他の仏像に比べ人間的な存在で身近に感じられることが、感慨深いですよね。ちなみに、ここの「五百羅漢」は、1782年から1825年の間にわたり建立されたものと言われており、日本三大羅漢の1つに数えられる貴重なもの。実際には500以上あり、ひとつひとつ見ていると、自分の親族や知人などの知った顔が見つかるとも言われています。時間がある方はぜひお試しくださいね。

ほかにも、本堂の左手にある「苦ぬき地蔵」は、苦しみを取り去ってくれるとして、この『喜多院』に来る多くの方が立ち寄るスポットとなっています。また、境内でもひときわ目を引く多宝塔や、客殿から見る紅葉山庭園など、目を楽しませてくれるスポットが沢山あります。

ちなみに、この『喜多院』は1638年に一度火事にあい消失したのですが、その後江戸幕府三代目将軍である徳川家光が、江戸城の別殿を移築し復興したとされています。撮影禁止のため写真はありませんが、訪れたらぜひ中を見学なさってくださいね。

ちょっと珍しい、喜多院の節分

2月の3日頃に毎年行われる節分は、豆をまくことにより邪気を追い払って福を呼び込む行事。そもそも節分とは季節を分けるという節目という意味合いも持ち、「立春、立夏、立秋、立冬」の前日のことで、全部で4回あるそうです。そのうち、2月である立春は、旧暦で1年の始まりと言った存在なので、自然と重要視されるに至ったのです。そもそも、季節の変わり目は体調を崩しやすいことから、邪気払いの豆まきを2月の節分に行うようになったのかもしれませんね。

Kitain - Kawagoe,Saitama, Japan

寺院ではこの節分を寺の大きな行事と位置づけ、有名人などを交えて大々的に行っているところも見受けられますね。しかしこの『喜多院』で行われる節分は、毎年その年の年男や年女が参加するというちょっと変わったもの。毎年、1月末まで一般公募をしており、約100名が参加することができます。豆をまく側にまわれる節分は、全国的にも珍しいのではないでしょうか。

節分会は12時からスタート。鐘が打ち鳴らされるとともに、法螺貝を吹いた山伏と年男たちが登場します。記念撮影などを行ったあと、護摩祈願が行われます。気分が盛り上がる13時20分頃にいよいよ、豆まきが始まります。豆まき台の前で、今か今かと待ちわびていた群衆が最も沸き起こる瞬間ですね。

この豆まきでは、一般的にまかれる福豆のほかに、福餅やお菓子も投げられるのが特徴。おかげで、大人だけでなく子供も一緒になって楽しむことができます。しかしここまでは他の寺院でもやっていることで、そう珍しくはありません。さらに『喜多院』ではお札もまかれるのです。

お札はひらひら舞い下に落ちるので、台から遠い方が拾うのは至難の業。お札が欲しい方は早めに場所取りをする必要があります。ちなみに、同日に行われる、近くの『成田山川越別院』では、福豆に当り券がついていて、当たった人は福宝をいただくことができますので、はしごする方もいるようです。

Crush at the Kitain Temple

『喜多院』で行う豆まきでは、「鬼は外」とは言いません。「福は内」だけを繰り返し唱えることとなっています。「鬼は仏教を守護する仏の一部であり、私達のよこしまな心を目覚めさせるために仏様がお姿を変えたものだから」と考えているからです。なんとも感慨深いお話ですね。ちなみにいただいた福豆は自宅に持ち帰り、豆まきをしましょう。そうすることで家内安全を願うことができるのだそうです。この日は大変混み合いますので、気をつけてお帰りくださいね。

開催場所 埼玉県川越市小仙波町1-20-1 喜多院境内
日時 2019年2月3日
URL http://www.kawagoe.com/kitain/

節分のあとも、川越を満喫しよう

寺院詣でや節分会に参加したあとは、きっとお腹も空いていることでしょう。『喜多院』のある川越は「小江戸」と呼ばれ、古い土蔵や商家が立ち並んでいると同時に、観光客向けのグルメも充実しているスポットです。食べ歩きしながらの観光をもおすすめ。「菓子屋横丁」ではせんべいを頬張りながら歩く観光客の姿も。残したい日本の音風景100選にも選ばれた、「時の鐘」もマストスポットです。ぜひ節分とともに川越を楽しんでくださいね。

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