最終更新日時 2019/02/06

昔ながらの風情と古き良き伝統が色濃こる野沢温泉村。日本三大火祭りのひとつに数えられ、訪れる旅人たちを魅了する村の名物「野沢温泉の道祖神祭り」をご紹介します。

道祖神祭りとは

長野県野沢温泉村で毎年1月15日(旧成人の日)におこなわれる、日本三大火祭りのひとつ「道祖神祭り」。
各地でおこなわれる小正月にしめ飾りなどを焼き、無病息災や五穀豊穣を祈る「どんど焼き」が発展し、受け継がれている伝統の祭りです。

道祖神祭りは迫力の火祭り

地元の厄年(40、41、42歳)の男性たちの集まり「三夜講」が、1日半かけて高さ10メートル、広さ8メートル四方の木造の社殿を建てます。社殿に火を点けようと攻撃する村人たちと、それに応戦する25歳の厄年の男性たちが松の枝で激しく叩き合うのが、祭りの見もの。
毎年けが人が出るほど激しい炎の攻防の後、村人たちと三夜講は手締めをし、社殿に火を入れます。
社殿から大きく火が立ち、雪景色を赤く照らすと、祭りの盛り上がりは最高潮に。

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冷たい雪に閉ざされた地で明々と燃える熱い炎に、ひとびとは平安を祈り、初子の祝い、良縁祈願や厄祓いの願いを込めます。
社殿が燃えた翌日、まだ熱の残る炭で餅を焼いて食べると、その年は風邪を引かないという言い伝えもあります。

finale

道祖神祭りのしきたり

道祖神祭りは、社殿に火が入り燃え上がることでピークを迎えます。
祭りの儀式は4か月前の、この社殿を造るのに使う乾燥した草や材木を、三夜講と25歳の厄年の男性たちが山で集めることから始まっています。

Happo ridge 121021

10月には、社殿の芯木となる「御神木」を5本切り、その内の2本は村へ運びやすい場所に移動させておきます。
1月13日に、その2本を25歳と42歳の厄年の男性たちが、それぞれ1本ずつ社殿を置く場所まで約3時間かけて、長さ20メートルもあるブナの大木を手で引いて回ります。

Permapine Logs Aged

温泉街を通り抜ける道すがら、沿道の家からはお神酒が厄年代表に献納されます。
お礼として、代表が大声で「道祖神の唄」を歌い、道祖神の手締めをして、そこで見守っている村人や観光客にそのお神酒を振る舞います。

Nozawa Onsen

14日の朝から深夜にかけての丸一日と、15日の午前中に、祭り会場で三夜講と25歳の厄年の男性たちにより社殿が建てられます。
釘や針金を全く使わない昔から伝わる方法を使い、危険を伴う手作業なので全員酒を断って、経験豊かな社殿棟梁の指示に従っての作業です。
いよいよ、三夜講の代表6人が「火もともらい」に出かけます。

代々の火元で、かつては寺湯だった河野家の囲炉裏から、古式にのっとり、火打ち石で採火した火を大きなたいまつに点ける儀式。
この時に代表たちは大量にお神酒を飲み、「道祖神の唄」を歌いながら温泉街を通って、社殿まで火の点いた大きなたいまつを運びます。

Pot on fire at いろり Irori

野沢温泉村に伝わる縁結びの道祖神

道祖神とは、一般的には村や地域の境界や村の中心の路傍に、石碑や石像として置かれる神で、村の守り神として、子孫繁栄や旅・交通安全の神として信仰されています。

Dōsojin - road ancestor kami

野沢温泉村には、「八衢比古神(やちまたひこのかみ)」(男神)と「八衢比賣神(やちまたひめのかみ)」(女神)が、容姿の問題でなかなか伴侶に恵まれませんでしたが、二神が出会い結ばれたことで子供が生まれたことから、縁結びと子宝の道祖神として祀られるようになったという伝統があります。

男女一対の道祖神は、丸太に彫られた大きなものが野沢温泉村のあちこちに。各家庭の神棚には手作りの素朴なものが祀られています。
道祖神祭りの日には、自分の家の道祖神を大きなたらいに納め、気に入った他の家の道祖神を持ち帰り、新しい縁を結ぶ風習があります。

子どもの成長を祈る初灯籠

道祖神祭りを彩るのが、傘のような形をした高さ9メートルの初灯籠。
初灯籠は、前の年に長男が誕生した家で、秋頃に親戚や友人が集まり灯籠棟梁の指示通りに作られます。

Festival Baby

灯籠の柱には下部にミズナラ、上部に杉が使われており、おんべと呼ばれる御幣を頂点に、家紋のついた赤い垂れ幕の下に傘、風鈴、丸灯籠、白扇、ようらくなどを垂らします。
その下に絵のついた菱灯籠を付け、丸く傘のようになっている部分、玉のついた竹ひごを何本も飾り、その中に万灯籠が。一番下には、親戚や友人たちの書き初めのメッセージが下げられ、初灯籠は子どもの成長を願って、たくさんの人の手によって作られるものです。

1月11日に家の前に初灯籠を組み立てる「灯籠丸め」の儀式をおこない、祝宴が開かれ、道祖神祭りまで5日間毎日そこに立てられます。
1月15日の夕方に「灯籠送り」の宴が開かれ、「火もともらい」のたいまつに続いて会場に運びます。
社殿に火が入り燃え上がった時に初灯籠も投入し、一緒に燃やすのが習わしです。

冬の魅力がいっぱいの野沢温泉村

村の名前が表す通り、温泉で有名な野沢温泉村。どこか懐かしい昔ながらの風情が残り、きちんと受け継がれている伝統や文化に触れることができる場所です。

onsen icicles.

長野県の北部にあるので、冬は雪深く、美しい雪景色を見ることができ、良質なゲレンデを誇るスキー場も、温泉とあわせて村の魅力です。

Nozawa spa - Ogama

毎年1月15日におこなわれる、日本でも珍しい奇祭「道祖神祭り」には、近年多くの外国人観光客が押し寄せています。
日本人にも、あまり知られていない激しい炎の祭り「道祖神祭り」。
温泉やスキーと合わせて祭りを見に、ぜひ冬の野沢温泉村に出かけてみてはいかがでしょうか。

イベント開催場所 長野県下高井郡野沢温泉村馬場の原
イベント日時 2018年1月13日(日)~2018年1月15日(火)
URL http://www.nozawakanko.jp/spot/dousozin.php

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