最終更新日時 2019/03/15

その立地や風景から、大人気の橋があることをご存知ですか? 今回は、数ある橋の中から、歩いて渡れる絶景の橋を6つご紹介します。

「橋」と聞いても、ただこちらとあちらを結び、渡るだけのものと思う方も多いかもしれません。しかし、そこには思いもよらぬ絶景が広がっているもの。さらに、橋にはその場所に架けられた理由や歴史といった背景があるとともに、時代の技術や文化を感じることができるアートととらえることもできるでしょう。橋からたのしむ絶景と、橋自体がもつ魅力をお伝えします。

通潤橋(熊本県山都町)

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熊本県東部の山都町にある「通潤橋」。水不足で困窮していた白糸台地へ水を送るため、江戸時代後期の1854年に建設された国内最大の石造りアーチ状水路橋です。

橋の上には水を通すための石造りの通水管が通っており、現在でも農業用水のために使用され、対岸の約115ヘクタールの土地を潤しています。私財を使ってまで計画を立てた地元の総庄屋、布田保之助と、当時の石工たちの知恵と技術の最高傑作とされ、国の重要文化材に指定されている大変貴重な橋でもあります。

1238340786_aa522ad334_o出典:eiko

橋の長さは75.6m、高さは20.2m、そして横幅は6.3m。あくまで水路橋として作られたため欄干や柵はありませんが、歩いて渡ることができるのです。さらに、水路に溜まる土砂などを取り除くために定期的に橋からの放水がおこなわれており、農作業により水が必要とされる期間を除いて、ダイナミックなその様子を目にすることができます。橋の上から見下ろす放水はまさに大迫力。実際に現地で見ると、橋の規模や美しさ、水の迫力に圧倒されることでしょう。

眼下や周辺には、季節の花々が美しく咲くのどかな風景や段々畑が広がっており、秋には黄金色の稲穂が日本の秋の風景を作りだしています。重機もなかった時代に、これだけの美しい姿と価値を有する橋を作り上げた情熱を感じてみてはいかがでしょう。

名称 通潤橋
住所 熊本県上益城郡山都町長原
通行可能な時間 24時間 ※放水の予定は下記ウェブサイトを参照
料金 無料
おすすめウェブサイト 山都町観光ナビ 通潤橋 

河童橋(長野県松本市)

上高地といえば河童橋とイメージされるほど、上高地のシンボル的存在となっている河童橋。長さ36.6m、幅は3.1m、梓川に架かる木の吊り橋です。芥川龍之介の昭和2年の作品「河童」に河童橋が登場しますが、河童橋の名前の由来は諸説あり、また、架けられた年代も詳しくはわかっていません。

パンフレットなどにも多く登場する河童橋ですが、眼前に迫る穂高連峰のスケール、エメラルドグリーンと例えられる梓川の清らかな流れ、そしておいしい空気は、実際に訪れる人に想像以上の感動を与え、橋の上に立つと、自然が与えてくれる安らぎに誰もがしばし酔いしれるとさえ言われています。

yam0039-013出典:pro.foto

紅葉や雪景色も趣きがあり、四季を通しさまざまな変化が楽しめますが、山の残雪と緑とのコントラストは、特に人々を圧倒する美しさがあります。また、夜には心が震えるほどの満点の星空に出会えることも。数々の見どころに溢れる上高地の魅力がこの橋からの風景に凝縮されていると言っても過言ではないでしょう。

名称 河童橋
住所 長野県南安曇郡安曇村上高地
通行可能な時間 5:00~19:00(7、8月は20:00まで) 11月16日~翌4月下旬まで休業
料金 無料
公式ウェブサイト 上高地公式ウェブサイト

祖谷のかずら橋(徳島県三好市)

1024px-Kadzurabashi出典:As6022014

徳島県三好市西祖谷の山奥に架けられた「祖谷のかずら橋」。目の前にした人は、その原始的で荒々しい姿にまず驚くことでしょう。祖谷のかずら橋は、約5トンもの野生のシラクチカズラという植物を編んで作られた人専用の吊り橋です。祖谷川が流れる渓谷に架けられているこの橋、長さが45m、幅2m、水面からの高さは14m。日本三奇橋のひとつであるほか、重要有形民俗文化財でもあります。

現在は、安全のため編みこまれたカズラの中にワイヤーが通されていますが、3年に1度架け替えをおこない、その姿を保っています。弘法大師が村人のために作ったという説や、平家が追手から逃れるために切り落とせるカズラで作ったという説が残されていますが、地元民の大切な移動手段として守られ続けた橋でもあります。

Junkoさん(@juun_m)が投稿した写真

橋に渡された板と板のすきまが大きく、足元からは下がそのまま見えるため、一歩を踏み出すのに勇気がいるかもしれません。岩がゴロゴロとある眼下の渓谷、清らかな水の流れ、木々に覆われた周囲はまさに「秘境」と呼びたくなるような環境。

春には紫色の山藤が橋を覆うように美しい姿を見せるほか、緑の夏、紅葉の秋、雪化粧の冬と、四季を通して違った風景を楽しめます。毎晩19:00~21:00はライトアップがおこなわれており、日中とは違う幻想的な姿を見ることができるでしょう。

名称 祖谷のかずら橋
住所 徳島県三好市字善徳162-2
通行可能な時間 日の出~日没まで
料金 大人 550円 小学生 350円
おすすめウェブサイト 徳島県観光情報サイト 阿波ナビ

九重“夢”大吊橋(大分県九重町)

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九重“夢”大吊橋は、大分県九重町にある鳴子川渓谷に架かる歩行者専用吊り橋です。町おこしとして20億円の総事業費をかけ、まさに“夢”の一大事業として2006年に開通しました。この吊り橋が架かっているのは標高777m地点。長さ390m、川床からの高さ173mというその規模は、歩行者専用橋としては日本で一番の長さと高さを誇っています。

画像素材|PIXTA

つり橋の上流には日本の滝百選に選ばれた、落差83mの「震動の滝」のほか、秋になると美しく紅葉する九酔渓があり、橋の上からもこれらの絶景を堪能することができます。幅1.5mある床版の中央部分は、鋼材が格子状になっているため、橋の上から173m下の景色が見え、絶景とともにちょっとしたスリルも味わえるでしょう。

名称 九重”夢”大吊橋
住所 大分県玖珠郡九重町大字田野1208
通行可能な時間 8:30~17:00※入場券販売は16:30まで(1~6月/11~12月)
8:30~18:00※入場券販売は17:30まで(7~10月)
料金 中学生以上 500円 小学生 200円
公式ウェブサイト 九重”夢”大吊橋

佐田沈下橋(高知県四万十市)

1024px-Shimanto_sada_chinkabashi出典:四万十人

「沈下橋」という言葉をご存知ですか?沈下橋は、川の水面からあまり高さをもたない位置に架けられた橋で、増水の際には水面に沈んでしまうことを前提に設計された橋のことをいいます。日本国内の一級河川とその支流には、現在400を超える沈下橋があるとされています。中でも「日本最後の清流」と呼ばれている四万十川には、40を超える沈下橋が存在します。

佐田沈下橋(今成橋)は、四万十川に架かる沈下橋の中で一番下流に位置し、291mという一番の長さをもつ橋です。沈下橋は、欄干などがないシンプルな造りになっていることが特徴。増水時、流木などが引っかかり流れを妨げないためです。まさに、自然をあるがまま受け入れ、自然と共存するための橋といえるでしょう。

佐田沈下橋もまた欄干がないことから、夏には子どもたちが元気に飛び込む姿が見られるなど、流域に住む人々の生活や周囲の自然とよく調和しています。幅は4.2m。車も徐行しながら通行が可能です。長さがあるぶん細く感じてしまう錯覚も生まれるようです。

ゆったりとした四万十川の流れや、コンクリートで護岸されていないありのままの川の姿、そして川に寄り添うような周囲の山村を眺めていると、忙しい日常を忘れ、時間までもがゆっくりと過ぎていきそうです。

名称 佐田沈下橋(今成橋)
住所 高知県四万十市今成向イ
通行可能な時間 24時間
料金 無料
おすすめウェブサイト (社)四万十市観光協会ウェブサイト

伊良部大橋(沖縄県)

2015年1月31日、沖縄の宮古島と伊良部島を結ぶ「伊良部大橋」が開通しました。全長3,540mという長さは、沖縄県最長の橋となり、また、無料で通行できる橋としては日本で一番長い橋となりました。宮古島は沖縄本島より南西に約290km、伊良部島はそこからさらに約5kmの位置にあります。伊良部大橋は、光ケーブルをはじめ、電話線や電力線などを宮古島から伊良部島、下地島に供給するインフラ面でも大きな役割担って開通しました。

この橋は、島民の40年に及ぶ願いが実現したものでもあり、開通により宮古島と周辺の5つの島が道路で結ばれたことで、島民の生活利便性の向上はもちろん、観光での交通面も大変便利になりました。

8493174373_4451d51c4a_b出典:Aiko Konishi

歩行者専用の歩道ではありませんが、幅1.2mの路側帯部分を歩いて渡ることができます。緩やかなアップダウンが特徴的。離れた場所から見ても海の上に描かれた美しい曲線がとても魅力的です。

なにより、この橋から望む、どこまでも続く青い海、青い空はまさに絶景としか言いようがありません。ダイビングスポットとして有名なエリアでもあり、その美しさはダイバーたちの保証つきといっても過言ではないでしょう。

名称 伊良部大橋
住所 沖縄県宮古島市
通行可能な時間 24時間
料金 無料
おすすめウェブサイト 宮古島観光協会公式WEBサイト

歩いてこそ味わえる景色をぜひ

まだまだご紹介しきれない橋がたくさんありますが、今回はその中でも、それぞれに魅力的な個性でそこからの景観を楽しませてくれる橋を6つピックアップしました。橋は、人々や物の往来を可能にするだけではなく、そこからしか見ることができないさまざまな景色を生み出してくれます。また、周囲の環境にとけこみ、橋自体が美しい景観の一部となることも。だからこそ、歩いて渡ってみたいもの。立ち止まる、見下ろす、見上げる…。そんな橋の楽しみかたはいかがでしょうか。

TOP画像出典:gtknj

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